ステンレスは英語でStainless-Steelと表記します。Stainとはしみ、汚れ、サビを指し、 lessは、「〜が無い」、steelは、鋼を意味します。つまり、サビにくい鋼ということです。 その歴史はまだ新しく、1913年に発明されました。銃弾の改良のため、新しい合金を 精製する研究の際に、鉄とクロムを組み合わせると、サビにくい鉄(=ステンレス)が 生まれるということが判明したのです。
ステンレス表面は、ステンレス合金中のクロムが酸素と反応して作られる薄い保護皮膜に 覆われています。サビが発生しにくい原因としては、この膜がサビやよごれの進行を防ぐ からだと言われています。この膜は目に見えないほど微細で、薄く、たとえ壊れても、周囲 の酸素とすぐに反応し、自動的に再生してサビを防止するようです。
ステンレス鋼は鉄を主成分とし、10.5%以上のクロムを含有するものと定義され、耐食性・ 耐久性、意匠性、耐火性・低温特性、加工性に優れた特性を持っています。また、最近では 環境問題に対する社会の関心が高まるなか、100%のリサイクルが可能な材料と評価されて います。
現在使用されている代表的なステンレス鋼としては、クロム18%にニッケル8%を加え、 『サビにくさと耐久性を強化した18-8ステンレス』等があげられます。
特徴
1. サビにくく、衛生的。
2. 高い保温性能。
ステンレスは、一度蓄えた熱を容易に放出しない特性を持っています。
3. 優秀な耐久性。
長期間使用しても、ほとんど劣化しません。
4. 優秀な耐酸性。
特に、モリブデンを含有したステンレスは酸に強い特長を持っています。
5. 卓越した意匠性
表面加工としても、鏡のように美しいミラー仕上げが可能です。
ステンレス素材は、上記のような特長から、特に衛生性・保温性を重視する調理道具をはじめ、風雨にさらされる屋外用品や建材、園芸道具、過酷な使用に耐える作業用工具等幅広く用いられています。また、卓越した意匠性などから屋外彫像や雑貨類にも用いられています。 |